呉服・和装・印伝 山森呉服店掲示板

お陰様で創業106周年。店主エッセイが多いかな。

呉服屋の使い方2015.11

呉服屋に行けば、相談したりアドバイスを受けながら新品の呉服や和装品を買うことができる。
また、密接に関連しているから、着た後のしみ抜きや丸洗いなどはしてくれる。
これくらいならどなたでもご存知の筈。

その他に、「へぇー、呉服屋はそんなこともしてくれるのか」と言われそうなことを時々紹介してきました。
今日もその「へぇー!」の多くの中から、一つ紹介します。
(10年もブログをやってれば何度か似たようなことを書いているかもしれません。重複ご容赦)



先日、お買物に来て下さった存知上げないお客様が帰り際、
「ところで生地を持ってるんだけど、綿入れ袖無しに仕立ててくれる?」

もちろん喜んでお引き受けした。
お客様は間もなく表地の他に裏地まで持って再びご来店下さった。

寸法や細かい造り、納期(今回は約十日間)などを打合せ、見積りのご提示まで済ませた。
お客様お帰りのあと、仲入れ綿・真綿・黒い半衿(←綿入れ衣料の定番付属品たち。すべて常時在庫)を添え、
詳しい仕立伝票を作成し、和裁師さんの手に委ねた。

十日後、綿入れ袖無しは見事にお客様のご希望通りに仕上がり、ご満足頂いた。
ここで写真を添えれば説得力が増すのだが、特にお客様お持込みの生地ということでそれは自粛。

今回の「呉服屋の使い方」の特徴は、「商品はほとんど売らず、お望みの加工を買って頂いた」だろう。
仕立という加工よりも、商品が売れた方が利益は大きい。これは自明。

が、今回のケース、職業人としての喜びは商品が売れた時に勝るとも劣らず大きいのだ。
お客様は愛着のある生地を蘇らせるというご希望を叶えられたのだから。

お持込み下さった生地は、鋏を入れていない新品反物でなく、お手持ちのきものをご自分で解いた端切れ
しかも相当昔の生地なので、現在の38センチ幅の反物よりも3センチほど巾の狭いものだったのだ。

これを「綿入れ袖無し」という別のものに生まれ変わらせるためには和裁師さんの経験と工夫が必要になる。
それを和裁師さんはやってのける。

当然、えらいのは呉服屋でなくベテランの和裁師さんだ。いつもこういった難題を見事に解決してくれる。
そして、今回ご依頼下さったお客様は「呉服屋の使い方」を見事にご存知だったわけだ。



今の時代となっては多くの方々がご存知無い、または忘れ去られてしまった「呉服屋の使い方」。
今後も時々紹介していこうと思っています。




  1. 2015/11/30(月) 22:00:11|
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