呉服・和装・印伝 山森呉服店掲示板

お陰様で創業106周年。店主エッセイが多いかな。

世の為人の為

人はその生業を通して世の為人の為に生きている。
「いや、おれは食うため生きるためにやむを得ず働いているだけだ」という人もいるかもしれない。

が、そうは言っても結果的にそれは「世の為人の為」になっているのだ。
だから現役中の全ての方々は世の為人の為に生きていると私は思う。
いやいや現役人ばかりでなく、お年寄りは子や孫のために、専業主婦は家庭のために、相当な役に立っているのだ。

その考え方で行けば「士農工商」と最下位身分の呉服屋も、持てる力を総動員してお客様の様々なご要望にお応えしているわけだから、些かでもお役に立てているのかもしれない。
そう思えば自分も生きている甲斐があるというものだ。



ところで・・・
当店のお客様の中には現役を終えられ、職業という束縛から自由になりながら、70歳、80歳になっても、
日々体と頭と時間と、時にはお金も使って、精力的に世の為人の為に動いておられるがたくさんいらっしゃる。
ただただ尊敬申し上げている。

そういう素晴らしいお客様のお一人にある日、
「私は仕事と家庭以外の時間は、ラッパを吹いたりバイクに乗ったり、本を読んだり史跡巡りをしたり、好きな事ばかりして暮らしています。余暇に人様のためになる事はほとんど何もしていません。反省し、あなた様の爪の垢を頂いた方がいいようです」

そう申し上げるとその方は
「あなた、楽団であちこちに行って演奏してるでしょ。聴いている人の為になっているのよ」
「バイクでどこかに行ったことや、本や史跡で学んだことを人に話すでしょ。聴いた人はそれを楽しんでいるかもよ」
「人の為というなら、そういうので十分なのよ」

ものすごくポジティヴなお考えである。でもそうか。そう考えればいいんだ。
人並み以上の世の為人の為の行為なんて、人並み優れていない自分にはそもそも出来っこない。
凡人は凡人なりの貢献でいいんだ。そう考えるとすごく楽になってくる。




それでいいのかな・・・
いや、そう考えよう。






  1. 2015/12/02(水) 22:35:07|
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  4. | コメント:2
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コメント

道中記いつも楽しみにしています。v-291
  1. 2015/12/03(木) 09:00:46 |
  2. URL |
  3. まつ #-
  4. [ 編集]

まつさん毎度!

ありがとうございます。
力が湧いてきました。
  1. 2015/12/03(木) 09:34:14 |
  2. URL |
  3. おれ #-
  4. [ 編集]

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