呉服・和装・印伝 山森呉服店掲示板

お陰様で創業106周年。店主エッセイが多いかな。

親の気持ち 

人は億万人もれなく無一物で生まれ来て、再び無一物で帰っていく。

元居たところへ、財産も、名誉も、家来も、あらゆるコレクションも、バイクも、車も、ラッパも、
愛する妻子も、妾も、やばい日記一冊すら、更には自分の肉体さえ持ってはいけないのだ。

一生かけ、知恵を絞り、汗水たらし、おのれの努力と才覚でこの世で手に入れたもの一切、持ってはいけない。

先日観た蓮如上人も登場する映画でも取り上げられていた。
親子や夫婦の愛情ですら極楽往生の妨げになる「執着」であると。





ところで自分は親(ずっと一人しかいないが)に対し、これまでどう接してきたか。
神道と仏教と、あとは儒教の影響を受けた日本人の一人としては、
「日本風親孝行」をしなければならないと考えるのが普通であろう。

自分はどれほど親孝行をしてきたか、してこなかったか。
ある程度してきた自負もはっきりあるし、といって「十分」に孝行をしたという自信もない。
子供の頃から今日に至るまで、様々な形の親孝行をもっとできる・できた余地はあったと思う。


以下は私のこと。
やはり十分な親孝行はできていない。もっと何かできたはずだしこれからもできるはずだ。

何やら自分一人で成長し生きてきたように錯覚している部分も大いにあるのではないか。
生まれてから相当の齢になるまでずっと、実に多くの場面で親に庇護され、指導され、生かされてきたくせに。

ほんの少しそれらに気付いた頃には親は既に老い、孝行のチャンスは幾許も残されていない。
親の恩にうんとは気付かなかったこれまでは、親が自分にしてくれた「我が子を育てる」という代償を求めない行為を、
誰に言われなくても自分の子に施してきた。

親孝行の実践の多寡はともかく、慈愛をもって我が子を育てるのは誰しも同じと思う。
親からの恩を親へでなく我が子に返す。
古今東西みんな同じなのかな。それとも、みんな私よりも親孝行してるのかな。

我が子への愛情やら心配やらが我が身を苛む時、わが親の私へのそれを思うと愕然としてしまう。







  1. 2016/10/13(木) 22:01:35|
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